岩手県内には商工会議所が10箇所あります。県都、盛岡はじめ北から久慈、宮古、釜石、花巻、北上、水沢、江刺、大船渡そして一関です。商工会議所の青年部は県都の盛岡にはありません。他の9箇所には設置されております。

 一関商工会議所青年部は昭和57年、久慈、江刺に次いで県内3番目の商工会議所青年部として発足しました。「青年経営者としての社会的責任の自覚にもとづき、国際的連帯感を養い、青年の英知と情熱をもって地域商工業の振興発展に寄与する」ことを目的にうたい、当初32人の会員でスタート。全国で見ると、日本商工会議所の指導で昭和50年に京都の宮津、長野の塩尻で最もはやく設立されて以来、各地で続々と青年部が誕生していきます。当時、東北では約3割の商工会議所にしか青年部が設立されておらず、一関はパイオニア的な存在でした。

 設立にあたり、昭和57年4月と5月には、青年会議所メンバー、各商店会および青年会長が参加して「商工青年交流懇談会」を開催。青年部設立の周知と、参加を呼びかけております。5月30日には、第1回の設立準備会を開催、以降5回にわたり協議を重ね、規約の作成、事業計画案の作成など設立総会の開催に向けて準備は着々と進められてきました。

 そして迎えた昭和57年7月1日、一関商工会議所青年部設立総会が、一関商工会議所で開かれました。設立総会には、小野寺喜得一関市長、畠中彰三郎会頭、久慈、江刺商工会議所青年部長ら多数の来賓と会員が出席。畠中会頭が「将来、商工会議所の中核となってほしい」と祝辞を寄せました。続いて、規約、事業計画、収支予算を決定し、初代部長に麗門堂の店主菅原憲さんを選出。いよいよ青年部の船出となりました。ちなみに、現会長の渡辺淳も発足時からのチャーターメンバーです。

 発足初年度の事業としては、記念事業として、東北郵政局の「ハガキで選ぶ東北観光地60景」に、厳美渓の上位進出をめざして応募ハガキの投函運動を展開、約2万700枚で24位を確保する実績を挙げています。また、商業まつりの期間中に「魅力ある街づくり」のアンケートを実施。以後、数年にわたって実施し、街づくりへの提言を行っています。活動の原点となった初年度以降、青年部は一貫して地域振興に取り組んできました。

 発足してまだ間もない3年目の昭和60年にはまだ組織基盤も固まっていないのにもかかわらず無謀にも東北、北海道ブロック商工会議所青年部運営研究会を一関に招致し、一関文化センター体育館を会場に開催され、大成功を収めました。

 また、一関商工会議所青年部は岩手県でもリーダー的な役割を果たし、平成2年には一関の音頭とりで岩手県商工会議所青年部連合会が設立され、初代会長に当青年部小野寺真利氏(現在の松栄堂社長)が就任しました。県下商工会議所青年部との交流会を開催するなど、岩手県下、東北6県下青年部の中での活動も活発に行ってきました。

 青年部の地域振興事業として第1番目に挙げられるのは、様々なイベントの開催による賑わいの創出、街の活性化です。一関夏祭りへの協力もそのひとつです。

 昭和58年、青年部は一関夏祭りの「一般みこし大会」を初めて担当、翌59年7月には神輿団体「一嬉会」を設立。そして、一関神輿連合会の育成に努め、大一関神輿祭の運営等を担当。現在でも一関夏祭りの中心メンバーとして活躍しています。

 平成3年、40回目を迎えた一関夏祭りは「一関夏祭り40年大祭」として、会期を1日延長、4日間での開催となりました。40年大祭の最終日に、夏祭りの集大成として実施されたのが、青年部が中心となって進めた「グランドフィナーレ」でした。磐井川河畔特設ステージで行われたフィナーレでは、初めての企画として水天宮神輿川渡しを実施、夏祭りにかける男たちの熱い想いが大きな感動を呼び、以来毎年開催されております。

 今年の50回記念大会に向けては、記念大会に何か華を添えるものはないかと調査検討した結果、「徳川幕府の火薬庫」といわれる愛知県豊川市に数百年続く「手筒煙火」に着目し3年間の豊川商工会議所青年部との交流の結果、夏祭りプレ50回の本年、フィナーレにおいて東北では初めての手筒煙火が打ち上げられました。

 昨年の夏祭りで市民の皆様のご評価をいただいたことで、今年の50回記念大会では大々的に取り上げていただき、大きく盛り上げたいと考えております。

 青年部のイベントのもう一つの大きな事業は「おもしろ市」でした。現在は「中央町げんき村」となり引き継がれております。

 平成4年、商工会議所青年部の設立10周年を記念して実施された「おもしろ市」は、好評により平成9年まで毎年継続して行われました。シネマ上映、マップの作成、おもしろラリー、ストラックアウト等の各種ゲーム、大なべによる芋の子汁のふるまいなど、様々な趣向をこらした催物を実施。平成5年度錦町、6年度世嬉の一酒造、7年磐井川山目側河川敷、8年度中央町、9年度の大町と、継続して市内商店街で実施してきましたが、特に8年度の中央町では、テーマとして掲げた「中央町げんき村」の名の通り、約1万人の人出を記録し、賑わいを演出しました。中央町では、平成9年度以降も毎年、当青年部の友情参加のもと、独自に「げんき村」を継続しており、好評を博しております。

 その他のイベントへの協力としては平成10年から始まった「錦町賑わい市」への協力、同じく平成10年から開催されている全国地ビールフェスティバルのつまみコーナーの出店協力等があげられます。

 青年部の実施する各種イベントがきっかけとなり、校外型大型店の進出や他市町村への購買力の流出などで沈滞ムードのただよいがちの商店街に活力を与え、消費者の地元商店街見直しの一助につながっています。カネ、タイコの音も賑やかに一関名物の「いもの子汁」を唄い、踊る、青年部で創った「一関鍋踊り」のように、青年部は街を元気づけています。

 また、当青年部は、経営者としての資質を高める勉強会や講習会も開催しています。設立当初に取り組まれたマネージメントゲームでは、企業会計や経営の勉強を、昭和63年からスタートし、現在も定例会として続いている会員自らが講師となり我が商売を語る「いいたい放談」など、会員自身の経営に対する考えを語り合いながら、お互いを高めていくことを目的に日々の活動に取り組んでいます。

 広域的な活動としては平成7年に創設された秋田県側と岩手県側を結ぶ北緯40度上の単会が連携して活動を行う、北緯40度Bライン連携軸推進協議会が上げられます。

 構成メンバーは秋田県側は秋田、大曲、横手、湯沢の4単会、岩手県側は釜石、宮古、大船渡、江刺、花巻、北上、水沢そして一関の8単会です。

 主な事業としては物産展への出展協力や、ビジネス交流に役立つビジチャンファイルという業種別名簿の作成、ウエルカムカード、というカードを12単会の会員に配付し、そのカードを提示することにより割引やサービスを受けられる店を拡大して観光客、ビジネス客の集客に役立てようとしております。

 尚、今年度の事業としてホームページの作成が現在進められております。

 再び単会の活動に戻りますが、平成元年の商工会議所の役員、議員選挙では会議所を活性化させようと考え、青年部から候補者を立て選挙を行い5人の議員を誕生させました。以降、商工会議所活動の一翼を担っております。現在では当青年部の会員の中から、11人の議員を会議所に送り込んでおります。

 一昨年は岩手県でインターハイが開催されたこともあり、一関はバスケットボールとフェンシングの主会場になりましたが、遠来のお客様の為に当青年部では良心的な店をリストアップしたナイトマップを作成し、ホテル、旅館、観光案内所等で配布していただき好評を博しました。昨年はマスターズ陸上が当市で開催されることに伴い、一昨年のナイトマップの改訂版を作成し配付いたしました。

 現在の当青年部の会員数は73名。これからも積極的な活動を通じて、豊かで住み良い郷土づくりに貢献していきます。